作者:田辺イエロウ
掲載誌:週刊少年サンデー(小学館)
連載期間:2003年47号-2011年19号
累計発行部数:1800万部(全35巻)
概要
平成18年度(第52回)小学館漫画賞少年向け部門受賞。
結界師という異能を持った主人公が夜の学校を舞台に妖を退治していく物語。スタートはそこであるが、最終的には日本全体に広がりを見せる。最初から最後まで、一つの謎を追い続けた完璧なストーリー構築に脱帽。
田辺イエロウの初連載作品であるが、初連載とは思えない画力と、ストーリー展開で人気を獲得。サンデーの日テレ7時台のアニメ枠最後のアニメ化作品でもある。
ただ、全体的にちょっとテーマが暗く、今後を考えると悲しくなってどうしようもないキャラクターもいる。もし、ジャンプで連載していれば100万部は売れた漫画だと思っている。
ストーリー
妖(あやかし)の力を高める不思議な地、烏森(からすもり)。その力を求めて、夜な夜な現れる妖退治を家業とする、結界師の一族が、400年にわたってこの地を守ってきた。
墨村良守(すみむら よしもり)は、烏森学園中等部2年生の14歳。代々続く結界師一族、墨村家の22代目(予定)だ。同じく結界師であり幼なじみでもある雪村時音(ゆきむら ときね)とは、どちらが正統な間流結界術(はざまりゅうけっかいじゅつ)の継承者かを争うライバル。人々を危険から守るため、そして自分が強くなるため、良守は今夜も妖と戦う!!
-サンライズ結界師HPより引用
というのが本当にざっくりとしたストーリーであるが、まず、きもはこの年の差カップルの青春あふれる恋模様。弟ぐらいにしか思っていない良守がだんだんと頼もしい男に成長していく様に戸惑う時音っていうね。中学生の恋なんてまだまだ青くてその感じがちらほら見えるのが何とも言えない。
で、出だしはそんな感じであるが、その烏森の不思議な力とは何なんだということを突き詰めながら、由緒正しき家に縛られる人々の苦悩を描き出している作品。
魅力1:恋模様
先にも述べたが、この二人の恋愛模様が傍から見ていると楽しい。別に物語の中心にあるわけでもないし、このテーマがメインに描かれることもほとんどないのだけど、良守がちょっとやきもち焼いたり、時音が年下の弟のような幼馴染とはちょっと違った目線で見ることがあったりと、本当にわずかな二人の恋の進展を優しく見守ることができることができる。決して、付き合うとか、明確な告白とかがあるわけじゃないく、お互いの信頼関係が強まっていくという感じが何とも言えなくてよい。
魅力2:家に縛られる人間
良守と時音は400年にわたり代々この地を守ってきた家柄で、実は相当な地主というか、なかなか良い家柄で家が大きいセレブ。ただし、仕事というか、将来の運命が決められていて、この地を守る仕事をしつづけなければならない宿命を背負っている。
彼らは生まれついて能力を持っていて、いわゆる血筋で系統している。つまり、この漫画に登場する異能者たちは皆、多かれ少なかれそうしたそれぞれの宿命を背負った代々続く家柄の人物たちであり、人生の生き方を縛られた人たちである。
ただし、そこには当主として家を継げる人間と、出ていかなくてならない人間というのもいて、出ていかざるを得ない人間はそれなりの闇を抱えることにもなる。
という風にとにかく、なんだか元気に自由な感じの人間が全く登場しない漫画なのである。なので全体的に非常に暗い。いや、明るい感じもあって楽しいのだけど、それぞれが背負っているものがどうしてもそういう暗く重いものなのでそういった空気が作品全体を通して漂っている。それが逆に魅力として素晴らしい。
ちなみに良守はそういうのを全部吹っ飛ばそうと頑張っている感じで可愛い。
魅力3:真似したくなる結界術
結界術という技を使うんだけど、真似したくなるんだよねー。まあ真似しても全くできないんだけど(´・ω・`)でね、「定礎」(じょうそ)っていう結界術を使う時の技名みたいのがあるんだけど、ほらこれってビルとかによく書いてあるでしょ。あれの読み方は「ていそ」なんだけど、あれを見るたびに結界師の記憶が甦ってくるからねー。やばい。作者はそれを狙っていたのだとしたらとんだ策士だね。
おすすめ度:95点
あんまり読んでハッピーになる漫画ではないので、そういうちょっと暗い気分になっても大丈夫な人にはおすすめ。暗い気分のときに気晴らしに読もうとするとより暗い気持ちに引き込まれる恐れがあるので注意。それさえ気にならなければ話は非常に面白いので読む価値高し。
※画像はamazon.co.jpより引用