作者:雷句誠
掲載誌:週刊少年サンデー(小学館)
連載期間:2001年6号-2008年4・5号
累計発行部数:2600万部(全33巻)
概要
雷句誠の連載デビュー作品。第48回(2002年度)小学館漫画賞受賞。
友情・努力・勝利というどこかの漫画雑誌のコピーが良く似合う少年漫画。アニメ化、映画化もされた雷句の出世作品である。ただ、連載中には色々と小学館といざこざがあり、この作品の終了とともに小学館を去った。アニメを見て涙し、漫画を読んで涙するという、もう全てが全力で、最後まで全力疾走しきったという感じ。長期連載化で若干の矛盾点や、やや、中だるみの展開もあったが、気持ちの良い作品。
ストーリー
人間と魔物の子供がパートナーとなり、次期魔界の王を決める戦いを繰り広げるというのが基本のストーリー。魔界の子供は100人いて、それぞれに人間のパートナーが存在。本作の主人公ガッシュと清麿もその戦いに参戦していくのだが、これが本当に泣ける。
序盤は主に友情がテーマ。頭が良すぎて友達のいない清麿が破天荒な子供ガッシュと戯れることでいつの間にが学校にも友達が増えてくる。そして、ガッシュも戦いの中で友を作り、そして別れといった展開を全力の感情むき出しで描く。
中盤になってくると、バトルの迫力が増していき、魔物たちの思惑がぶつかり合い、混沌としてきて、危機感の増す展開となり、ラストへ突っ走っていくといったストーリー。
序盤の魔物の子供たちはちゃんと子供をベースにしているのだが、後半に登場する魔物はその辺りが大分おざなりになっていった感はある。デザインに限界を感じたのだろう。また、過去の魔物を再導入することで100人の魔物という枠を無理やり取っ払った感もある。そもそも、100人という設定は多いようで、意外と少ない。一人に総当たりなら多いが、普通に考えれば、トーナメント試合みたいなようなものだしね。まあ、そんなケチはつけたとしても気にならない良い作品である。
魅力1:人間ドラマ
100人の中から1人と決めるということで、当然、登場した魔物すべてと別れることになる。魔物同士はもちろん、魔物と人間の間にも非常に強い絆が生まれているため、その別れは辛い。つまり、別れのエピソードがこれでもかというほど盛り込める話の設定なのである。そして、この作者はそうした感動ものを描くのが非常にうまい。迫力ある描写や、さわやかなセリフで別れの切ない感情を引き立てる。また、非情な展開で唐突な別れを演出したりと、もう泣けるシーンのオンパレード。まあ人によっては感動の押し売り飽きるという人もいるが、そこまでワンパターンな感じもなく、個人的にはいいバランスで描き切ったと思っている。
魅力2:ぶっ飛んだギャグ
シリアスな展開のあとに、割と常人の理解を超えたレベルのギャグパートを挟み込む。新進気鋭のギャグ漫画家かなと思えるほど。こちらは好き嫌いがわかれるレベルだが、まあシリアス編が本当にシリアスなだけにちょっとした小休止的な感じでわりと楽しめるものだった。
おすすめ度:90点
2000年代の作品としてはかなり好きな作品。作者と小学館の訴訟話を聞いたり、連載中にアシスタントにキレて、その勢いで手を複雑骨折したりというエピソードを聞くと、本人の自分が正しいと思うことに対する譲らない執着といった部分が感じ取れて、まさにそれが漫画の中の主人公たちに反映されているというか、自分の伝えたい主張みたいなものががっつりと詰め込まれた作品であるので割と純粋な心で読める人におすすめしたい。
※画像はamazon.co.jpより引用