作者:吾峠呼世晴

掲載誌:週刊少年ジャンプ(集英社)

連載期間:2016年11号-連載中

累計発行部数:120万部(既刊7巻まで)

 

概要

 金未来杯での読み切り「肋骨さん」でベテランジャンプ読者の間で話題になった作家の初連載作品。主人公の炭治郎が悲しみを乗り越え敵である「鬼」との対決をシリアスに描いている。時折見せるシリアスが秀逸である。
 画力に不安もあったが、連載を続けるうちに徐々に高まってきている。もともとキャラクターのデザインセンスは優れているので、キャラの書き分けは素晴らしい。
 冨樫義博がコミックの帯にコメントを寄せるなど、ジャンプの他の連載作家からの評価も高い。ナルトやブリーチが終了する中、次代の看板作品との呼び声が高い。

 

ストーリー

 時は大正時代。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変する。唯一生き残ったものの、鬼に変貌した妹・禰豆子を元に戻すため、また家族を殺した鬼を討つため、炭治郎と禰豆子は旅立つ!! 血風剣戟冒険譚、開幕!!
 ーコミック1巻紹介より引用

 ということでスタートするこの漫画。鬼は人間社会に溶け込みながら生活しており、その圧倒的な身体能力のため通常の人間には倒すことは不可能。そこで、鬼を倒す組織が存在していてそこに炭治郎も所属し、鬼から人々を守ることを決意するんだけど、もうね、泣けるんだよ。 

 コミック2巻あたりまでは、淡々と暗く進み続け、面白くないという人も多いのだけど、そこを越えたあたりから本領発揮。シリアスの中に組み込まれたギャグが冴え渡り、だが、シリアスなバトル展開を全く邪魔しないという秀逸な構成力に引き込まれていく。

 現在は7巻までで、鬼の組織と、鬼殺隊の組織の全容が明らかになりつつあり、戦いも本格化してきたところ。



 

魅力1:シリアス&ギャグ

 ギャグがやばい。すべてシュールにギャグが進む。何がこんなにシュールなのかというと、登場人物の誰一人がまったくボケていないのだ。ただただずれている人が多い。そのずれ方人それぞれであり、登場人物すべての人間がボケ担当であり、ツッコミでもあるのだ。だからこそ、シリアスなシーンにもかかわらず、このシュールなギャグが自然と入り込みかつ世界観を全く壊さないのだ。
 そして根本のテーマが非常に暗いため話全体に流れるシリアスな雰囲気に心締め付けられるんだよ。でもね、それは悲しい締め付けじゃなくてすごく優しいの。なぜこんなにヤサ一のかというと、一重に炭次郎がすごく優しさと愛に満ち溢れているから。炭次郎の優しさがこの漫画の全てを包み込みんでくれているおかげで本当に心が温かくなる作品に仕上がった。

 

魅力2:デザインセンス

 なんというか、趣味が良い感じ。テイストがいいのかな。基本は明治時代あたりの和洋折衷感が基本にはなっているんだけど、小物の使い方や、キャラクターのシルエット、鬼の造形など、すべてが秀逸にできている。ちょいちょいグロテスクなデザインも見受けられるのだけど、その中にそこはかとないギャグテイストが盛り込まれることで、少年漫画として成立するという素晴らしいバランス感覚を持っている。

 

魅力3:リアリティのある地味なバトルシーン

 
 読み切りでは必殺技を一切使わず淡々と戦うという少年漫画として斬新なスタイルだったのだが、さすがに連載では必殺技は持ってきた。ただし、それは叫んで放つようなものではなく、地味に使うのが素晴らしい。技を連続して繰り出しながら相手の隙を作り出し、そこで決めるというなんとも地味な戦いなのだがそこが素晴らしい。そして必殺技の描写にも作者のデザインセンスが遺憾なく発揮されていて見事。
 また、ダメージを受ける描写が上手い。某漫画ようにあれだけダメージ受けたのに、いつの間にか回復していて読み手の気分がだだ下がり何てことはない。そもそも鬼は人間よりも圧倒的に身体能力が高いゆえに、一撃でも食らえば致命傷なのである、そのためその一撃を喰らうことなく戦いを続けることが必要とされ、また、攻撃が当たった際は本当にピンチに陥るのだ。そしてそのダメージが戦闘中に回復することもない。まさに生死をかけた戦いが行われている。そしてそのダメージを治療するための療養期間もあり、そこにもリアリティがあって良いのだ。

 

おすすめ度:100点

 まだ7巻で、これからの漫画であるが、今から読むことをお勧めする。週刊連載のペースで長い時間をかけながら共に炭次郎の今度を見守っていきたい。ここまでよんで優しい気持ちになれる漫画は私の読んだ中では初だ。昨今、デスゲーム系など、人の命を演出の道具程度にしか考えない漫画が多く出てきてしまっている中、この漫画は本当に少年漫画としてふさわしい愛が溢れている。是非読んでほしい。

 

※画像はamazon.co.jpより引用


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